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齊藤 宏; 山口 正秋; 北村 哲浩
JAEA-Testing 2016-003, 68 Pages, 2016/12
SACT(Soil and Cesium Transport)は、福島第一原子力発電所事故後に地表に降下したCsを長期移行評価することを目的に、原子力機構が開発した土砂及びCs移行解析プログラムである。本プログラムは、既往のソフトウェア"ArcGIS"上で動作し、米国農務省を中心に開発された土壌流亡予測式"USLE"を用いて土砂の流亡土量を計算したのち、既往の計算式を用いて、砂に対して掃流砂の計算を、シルト及び粘土に対して浮流砂の計算を行う。さらに、各粒度の土粒子に吸着したCsの濃度比を考慮することでCsの移動量を計算する。SACTは、迅速に広範囲かつ長期の計算を行うことができるという特徴を有するとともに、着目する領域の土地利用や土壌、降雨特性等の地域性を考慮してパラメータの値を設定することにより、別途現場で取得されたデータを反映した計算を行うことも可能である。当マニュアルは、SACTが広く利用されるよう促進するとともに、利用方法、手順、注意点や最低限必要となる情報を提供するものである。
中山 王克; 林田 均
JNC TN9400 2000-087, 74 Pages, 2000/07
液体金属ナトリウムの熱流動現象を定量的に把握するため、液体金属ナトリウム中の流速分布を超音波により計測する技術の開発を進めている。これまで、ナトリウム中試験を行って、その適用性を票Kするとともに課題を整理した。これを受けて、センサ特性や計測アルゴリズムの最適化を図ることを目的とした水中及びナトリウム中試験を計画しており、これらの試験に供試する高温用超音波トランスデューサを試作した。本報告は、試作した高温用超音波トランスデューサの単体特性の計測結果をまとめたものであり、試験により得られた主な知見は以下の通りである。(1)散乱超音波による流速分布計測手法において特性支配因子となる音圧分布特性を把握した。また、超音波トランスデューサによって生成される液中の音圧分布の予測式や近距離音場限界距離を計測データから導出した。(2)超音波トランスデューサの周波数帯域が、散乱波の周波数シフト計測を行うのに十分であることを確認した。また、距離方向計測範囲や散乱波の周波数シフト計測を行うのに必要な送受信回路の距離方向信号増幅仕様を導入した。(3)散乱波の周波数シフト計測システムの計測システムの計測精度評価を行う上で必要な超音波トランスデューサ単体に起因する空間分解能を推定した。